2013年5月31日金曜日

アリ・ミットグッチの字のない絵本    ~Unsere grobe Stadt~

この絵本ブログをはじめるキッカケとなったのが、この4冊の絵本との出会いです。
古本や新古書を取り扱っている本屋さんの1ドルコーナーで、この4冊がまとまって売られていたの。
背表紙が少し日焼け、色あせていたけど、ページを開いた様子もなく、美品。
表紙は、た、多分、ドイツ語?
学生時代にドイツ語を第二外国語の授業で選択していたのに、覚えているのはイッヒ・ビン・スチュデンテン(私は学生です)っていう例文くらいで。
ヒドイな、ワタシ…

厚紙でできた丈夫なボードブック、中を開いてみると、文字がなく、絵だけの、正真正銘、字のない絵本。
ちょっと見ただけでも面白そうな絵本だし、JoJoを連れての本屋さんでの買い物は、JoJoが飽きてグズリだすので難しいので、とりあえず4冊まとめて即買いして、帰宅。
お店のレジのおばさんが、“売れて良かったわ、ずーっと売れずに本棚に並んでたから、1ドルコーナーに出しておいたのよ”って。

背表紙にはユーロの値札がついたまま。
おそらく、出張でドイツに出かけたお父さんが自分の子供のためにこの絵本をお土産で買ってきたけど、子供は興味ナシでページを開きもしなかった、ってかんじだったのかも、と勝手に想像してみる。



家に帰ってさっそく読んでみる、いや、じっくり絵本を眺めてみると、絵本のページいっぱいに描かれている人達それぞれのストーリーがあって、その会話が聞こえてきそう。(人物はドイツ人の設定なんだろうけど、会話は日本語で聞こえる気がします)

なになに、なにこの絵本?!面白ーい!
さっそくハマってしまって、作者アリ・ミットグッチについて調べてみたら、日本でも個展が開かれるほど、彼のファンが多いらしい。
素晴らしい絵本との、運命の出会い!
もっと彼の作品の絵本を見てみたい!
翌日、同じ本屋へ踵をかえし、他にもアリ・ミットグッチの絵本がないか尋ねたけれど、古本で持ち込まれたものなので、現品限りとのことでした。

4冊のうちのひとつ。
Unsere groBe Stadt ~Our Big City~
by Ali Mitgutsch

















ウオータースライダー、市場、動物園に飛行場、見開きのページが一つのシーンになっているんだけど、見開きページ一つで、絵本1冊分、いやそれ以上のドラマが描かれている、といっても過言ではないでしょう。

いつも手の届くところにこの絵本を置いている、なーんちゃって、ただ単に、床におもちゃや絵本が散乱しているだけなんだけどね。
2歳の息子JoJoは、気が向くと絵本を手に取り、じーっと見入ってます。



ページが厚紙でできたボードブックは、お値段も高めで、なかなか探すのが難しい。

2013年5月24日金曜日

『ベルのともだち』 The Friend

The Friend
by Sarah Stewart
     David Small

















『ベルのともだち』
サラ・スチュワート 作
デイビッド・スモール 絵

優しいイラストとストーリーの、サラ・スチュワートと夫デイビッド・スモール夫妻の作品。

アナベル・バーナデット・クレメンタイン・ドット(略してベル)という小さな女の子のお話。 ベルの両親は忙しく、ほとんど家にいないけれど、ベルには住み込みの家政婦のビートリス・スミス(略してビー)がいました。
ベルは、自分はもう一人前に何でもできると思っていて、ビーのすることは、洗濯でも掃除でも何でも手伝いたいの。

ビーにしてみたら、自分でチャッチャッと仕事を済ませたほうが、余ほどラクに早く済ませられるんだろうけど、ベルの気の済むようにさせて、見守ってくれてるのね。
午後、仕事が片付くとベルとビーは、庭から続いている砂浜でのんびり過ごすの。
ある日、ベルはビーに断らずにひとりで勝手に砂浜で出かけてしまい、ベルの人生を大きく変える“事件”が起こります。

誰と出会うのかで人生も変わるもんだな、と、改めて考えさせられてしまう。
子供だけでなく大人にも読んでほしい一冊。


●サラ・スチュワートと夫デイビッド・スモール夫妻について
(『リディアのガーデニング』プロフィール欄より抜粋)

サラ・スチュワート(Sarah Stewart)
米国テキサス州育ち。子どもの頃、やせっぽちで近眼でひどい恥ずかしがりやだった。家にお客さんが来ると、ぬいぐるみとお気に入りの本をもってクロゼットに逃げ込んでいた。 図書館と祖母の庭が安心していられる場所だった。 静かなところで一人で過ごすのが好きなので、今でも庭と図書館 はお気に入りの場所である。5月の初めから霜が降り始める頃 まで、ほとんど毎日庭仕事をし、晩秋から冬の間は書斎にこもって書いたり読んだりして過ごしている。

デイビッド・スモール(David Small)
米国ミシガン州デトロイト育ち。少年時代の体験の中で、芸術家としての現在を作るうえで影響があった3つあるという。 校外学習で訪れた美術館で見た、メキシコの画家ディエゴ・リベラの力強い壁画「デトロイトの産業」。 X線技師だった父が働いていた病院の、一種独特な雰囲気の中でかいま見た生と死。 春休みのたびに訪れたインディアナ州の祖母の家。日中は戸外で過ごし、夕闇が迫ると祖父と停車場に蒸気機関車を見に行った。
テレビ無しに育った子ども時代と、その頃の田舎の生活を体験したことを幸運だと思っている。 現在、ミシガン州セント・ジョセフ川の近くに夫婦で住んでいる。

その他、あわせて読みたい、サラ・スチュワート&デイヴィッド・スモール夫妻の作品。
The Quiet Place
The Money Tree
The Library(『エリザベスは本の虫』)
The Journey
The Gardener(『リディアのガーデニング』)


2013年5月17日金曜日

『しろくまくん、しろくまくん、なにがきこえる?』          Polar Bear, Polar Bear, What Do You Hear?

Polar Bear, Polar Bear, What Do You Hear?
by Bill Martin Jr
      Eric Carle
(『しろくまくん、しろくまくん、なにがきこえる?』)

『はらぺこあおむし』(The Very Hungry Caterpillar)で有名なアメリカの絵本作家エリック・カールの絵本。
しろくまは、ライオンが吠えているのを、ライオンはカバが鼻を鳴らしているのを、カバはフラミンゴが鳴いているのをきき…色々な動物が次から次へ登場し、うなったり吠えたりしています。

日本語と英語、動物の鳴き声も違ってくるのが面白いです。
例えば犬。
日本語:ワン、ワン、キャン、キャン
英語:Arf Arf(舌を巻くようにアーフ、アーフ) Woof Woof(ウーフ、ウーフ) Bowwow(バウワウ)
犬種の違いから、泣き声も違ってくるんでしょうね。
バウワウなんて吠えるのは、やっぱり大型な犬なかんじです。

ライオン
日本語:ガォー
英語:Roarrrr (舌を巻くようにロアァァァァ)

ネズミ
日本語:チューチュー
英語:Squeak squeak (スクゥィーク)

ブタ
日本語:ブーブー、ブヒッブヒッ
英語:Oink oink(オインク、オインク) 

この絵本を読むときは、日英両方の鳴きまねで、ワタシも必死です。
パオーン Truuuumpeting、ガオー Roarrrrrrrrrrrr  etc....
とても、ヒトサマには、お聞かせできません。
夫ダーリンの鳴きまねは、シマウマなのにゾウの鳴き声みたいだったり、かなり面白くて笑えるのですが、息子が混乱しないことを祈るばかりです。

ボードブックの絵本の他に、朗読CD付きや、ボタンを押すと動物の鳴き声が出るものもあります。

このCD付き、あの、女優グイネス・パルトロウが絵本を朗読している、というので、ついつい買ってしまいました。
(グイネス・パルトロウは、ブラッド・ピットの元婚約者、今はイギリスのバンド・コールドプレイのボーカリストの奥さん)

2児の母でもあるグイネス・パルトロウ、最近、米国People 誌で“世界で最も美しい人”に選ばれたばかり。
聞いてみると、ああ、なんだか、優しい落ち着いた声です。
こんな声でお子さんに読み聞かせしてるんでしょうね。
CDをかけると、息子はじーっと耳を澄ませて聞き入っているようでした。
大人にも子供にも、耳に心地よい声質なんでしょうか。

日本で、絵本の読み聞かせをしてもらいたい女優さんといったら誰かな?
声が優しいカンジの鶴田真由さんとか鷲尾いさ子さんとかはどうかしら?

2013年5月11日土曜日

『はらぺこあおむし』      The Very Hungry Caterpillar

The Very Hungry Caterpillar
by Eric Karl

日曜日の朝に生まれた、お腹を空かせた小さなあおむしが、月曜日にリンゴを一つ食べ、火曜日に洋ナシを二つ、水曜日にはプルーンを三つ食べ、どんどん食べてやがて繭をつくり、綺麗な蝶になる、というお話。
あおむしが果物を食べた後の穴が、実際に空いているのが面白いよ。
読みながら、1~5までの数字と、月曜日から日曜日までの1週間の曜日も教えられるようになってるんだね。

息子JoJoは、果物の穴から出てきたあおむしを探しては、“いた、いた!”と喜んでいました。
エリック・カールは、世界中で人気のアメリカ人絵本作家で、日本でも彼の個展が開かれるほど。
ニスを下塗りした半透明の薄紙に、筆や布、指などでアクリル絵の具を塗り、様々な質感、模様、色合いを出し、貼り絵(コラージュ)という方法で、形を切り張り合わせて作品をつくっていくのだとか。
彼の美術館がボストン近郊にあるらしい。
いつか、行ってみたいな。

この『はらぺこあおむし』は、1969年に出版されて以来の世界的なベストセラーの人気絵本です。
ボードブックなので、丈夫です。

2013年5月3日金曜日

『ふたりはいつもともだち』

金の星社
『ふたりはいつもともだち』
もいちくみこ 作
つちだよしはる 絵

鳥羽水族館に住むジュゴンのセレナとアオウミガメのカメ吉の実話をもとにした友情のおはなし。
同じ水槽で、おいかけっこしたり、寄り添って眠ったり、いつも仲良く暮らしていたセレナとカメ吉。
あるとき、カメ吉が別の水槽へ移され、セレナは食欲がなくなりやせてしまいます。
カメ吉を元の水槽へもどしたところ、再びセレナが元気になります。

大好きな友達と離れてしまったときの寂しさは、人間も海の生き物も同じなのかも。


 

運命の出会いなのか、ただの偶然なのか、高校1年生のときに出会ってから20年以上、私の親友でいてくれてる友人のメグが、プレゼントしてくれた本。
明るく優しいイラストが、ぷわーんぷわーんと泳ぐ、穏やかな性格のジュゴンとウミガメにはぴったり。
息子JoJoが赤ちゃんの頃から、絵を見せながら読み聞かせているよ。
カメ(JoJoはTurtleというけど)は、動物の中で一番早く覚えてたね。

この絵本を読むたびに、メグのことを思い出すよ。
まるで私達のように、近くにいても離れていても、ふたりはいつもともだち。