『しょうぼうじどうしゃ じぷた』
渡辺茂男 作
山本忠敬 絵
あるまちの消防署にいる、救急車のいちもくさん、はしご車ののっぽくん、高圧車のぱんぷくん、そして、その隅っこに古いジープを改良したチビッコ消防車のじぷたがおりましたが、だれもじぷたのことは気にかけません。
火事が起これば、いちもくさん、のっぽくん、ぱんぷくんの三台が大活躍するのに、じぷたに出動命令がかかるのは、小さなボヤ騒ぎのときだけ。
じぷたは、格好のいいいちもくさん、ちからのつよいぱんぷくん、立派なはしごのついたのっぽくんが羨ましくなり、同時に、ちっぽけな自分がみにくく思えて悲しくなります。
が、しかし、あるとき、隣村の山小屋が火事になり、狭い険しい山道を上るにはもってこいのじぷたに出動命令が!
小さくても、みにくくても、じぷたにしかできない仕事があって、その仕事を一生懸命やり、それが認めらえるのがいい。
小さくても、自分にしかできないことをやる、昔話の「一寸法師」を思い出しよ。
この本は、今から50年前の1963年に出版されて以来のロングセラー。
救急車の"いちもくさん”、はしご車の"のっぽくん”、高圧車の"ぱんぷくん"、そして、じぷた。キャラクターのネーミングが傑作です。
このじぷたのような消防車は、戦後のアメリカ軍が人員輸送に使っていたジープを消防車に改良したもので、1950年代に日本で実際に使われていたらしい。
最近、4歳の息子が、「何かお話して」と、私の創作物語(?)をせがむようになり、もっぱら、この『しょうぼうじどうしゃ じぷた』のストーリーをパクらせてもらってます。
例えば、こんな具合に。
~配達トラック とらた~
あるところに、ちいさな配達トラックの”とらた”がいました。
とらたは、小回りのきく、小型の配達トラックでしたが、大きなコンテナトラックの”こんた”や、ダンプトラックの”だぷた”から、いつも、「ほらほら、ちいさいトラック、うろちょろしてるとあぶないぞ、じゃまだ、どけどけ」とか「勢いはいいけれど、小さな荷物しか運べないんだな」と、こばかにされていました。
とらたは、自分にも、こんたやたぶたのような大きな荷台があったらいいのにな、と、うらやましくなりました。
あるとき、配達を終えたとらたは、道端にコンテナトラックのこんたが止まっているのを見つけました。
「こんたさん、どうしたの?」ときくと、こんたの運転手が「ああ、とらたか。実は、タイヤがパンクして、動けなくなってしまったんだよ」といいました。
とらたが「ぼく、車庫にいって、あたらしいタイヤをとってくるよ!」というとこんたの運転手が「そうか、とらた、たのむぞ!」といいました。
とらたは、車庫まで、いちもくさんに走っていき…
と、いう具合に、どうやって話を終わらせようか、決まらぬまま、話がダラダラ続くのであります。
でも、4歳の息子は、真剣に話しに耳を傾けているので、少しはワクワクするようなストーリー展開も含んであげないとな~と、私も、懸命に作り話をするわけです。(笑)
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