2015年3月18日水曜日

『たろうのおでかけ』

福音館書店
『たろうのおでかけ』
村山桂子 作
堀内誠一 絵


たろう君が、すみれの花とお母さん手作りのアイスクリームを持って、犬のちろー、ねこのみーや、あひるのがあこ、にわとりにこっこと一緒に、仲良しのお友達まみちゃんの誕生祝いを届けるお話。
交通ルールを交えながら、楽しく街中を歩いていく様子が描かれています。

女の子にすみれの花を持っていくなんて、たろう君、粋じゃないの。

初版が1966年とは思えない、明るいポップなカラーとイラスト。

色々な荷物を運んでいるトラック、バン、クルマ、消防車、乗り物がたくさん描かれているよ。
Mobil にEssoに AGIP。外資石油会社のロゴがリアル。
この”たろう”のお話はシリーズ化されていて、他にも『たろうのおでかけ』の他に、『たろうのばけつ』『たろうのともだち』『たろうのひっこし』などがあるんだって。
そして、犬のちろー、猫のみーや、あひるのがあこ、にわとりのこっこと、いつも一緒。

2015年3月3日火曜日

『しょうぼうじどうしゃ じぷた』

福音館書店 《こどものとも》傑作集
『しょうぼうじどうしゃ じぷた』
渡辺茂男 作
山本忠敬 絵
あるまちの消防署にいる、救急車のいちもくさん、はしご車ののっぽくん、高圧車のぱんぷくん、そして、その隅っこに古いジープを改良したチビッコ消防車のじぷたがおりましたが、だれもじぷたのことは気にかけません。
火事が起これば、いちもくさん、のっぽくん、ぱんぷくんの三台が大活躍するのに、じぷたに出動命令がかかるのは、小さなボヤ騒ぎのときだけ。
じぷたは、格好のいいいちもくさん、ちからのつよいぱんぷくん、立派なはしごのついたのっぽくんが羨ましくなり、同時に、ちっぽけな自分がみにくく思えて悲しくなります。
が、しかし、あるとき、隣村の山小屋が火事になり、狭い険しい山道を上るにはもってこいのじぷたに出動命令が!
小さくても、みにくくても、じぷたにしかできない仕事があって、その仕事を一生懸命やり、それが認めらえるのがいい。
小さくても、自分にしかできないことをやる、昔話の「一寸法師」を思い出しよ。
この本は、今から50年前の1963年に出版されて以来のロングセラー。
救急車の"いちもくさん”、はしご車の"のっぽくん”、高圧車の"ぱんぷくん"、そして、じぷた。キャラクターのネーミングが傑作です。

このじぷたのような消防車は、戦後のアメリカ軍が人員輸送に使っていたジープを消防車に改良したもので、1950年代に日本で実際に使われていたらしい。

最近、4歳の息子が、「何かお話して」と、私の創作物語(?)をせがむようになり、もっぱら、この『しょうぼうじどうしゃ じぷた』のストーリーをパクらせてもらってます。

例えば、こんな具合に。
~配達トラック とらた~
あるところに、ちいさな配達トラックの”とらた”がいました。
とらたは、小回りのきく、小型の配達トラックでしたが、大きなコンテナトラックの”こんた”や、ダンプトラックの”だぷた”から、いつも、「ほらほら、ちいさいトラック、うろちょろしてるとあぶないぞ、じゃまだ、どけどけ」とか「勢いはいいけれど、小さな荷物しか運べないんだな」と、こばかにされていました。
とらたは、自分にも、こんたやたぶたのような大きな荷台があったらいいのにな、と、うらやましくなりました。
あるとき、配達を終えたとらたは、道端にコンテナトラックのこんたが止まっているのを見つけました。
「こんたさん、どうしたの?」ときくと、こんたの運転手が「ああ、とらたか。実は、タイヤがパンクして、動けなくなってしまったんだよ」といいました。
とらたが「ぼく、車庫にいって、あたらしいタイヤをとってくるよ!」というとこんたの運転手が「そうか、とらた、たのむぞ!」といいました。
とらたは、車庫まで、いちもくさんに走っていき…

と、いう具合に、どうやって話を終わらせようか、決まらぬまま、話がダラダラ続くのであります。
でも、4歳の息子は、真剣に話しに耳を傾けているので、少しはワクワクするようなストーリー展開も含んであげないとな~と、私も、懸命に作り話をするわけです。(笑)


『おばけのバーバパパ』絵本シリーズ

子供のころから読み親しんできた『おばけのバーバパパ』シリーズ。
からだの形を自由に変えることができるバーバパパとその家族たち。
綺麗な色彩のイラストと愉快なストーリーで、絵本だけでなく、キャラクターグッズも大人気ですね。


子供達にも『バーバパパ』シリーズ絵本を読んでもらいたくて、日本語版と英語版を揃えました。


バーバパパを生み出した作者は、フランス人のアネット・チゾン(妻)とタラス・テイラー(夫)というご夫婦で、ご主人のタラス・テイラーさんは、サンフランシスコ出身の元・生物学、数学の先生なのだとか。

そのタラス・テイラーさんが、最近、居住先のフランスにて82歳で亡くなったそうです。

なぜか、アメリカでは『バーバパパ』は、ほとんど知られておらず、うちのダーリン(夫)も、私が子供のために『バーバパパ』絵本を買い揃えるまでは、見たことも聞いたこともないんですって。

タラス・テイラーさんの訃報も、アメリカでは、全くニュースになっていないのです。

アメリカで、英語版の『バーバパパ』を購入しようとすると、イギリスで出版されたものが手に入りますが、アメリカでは1970~74年くらいまで、数種類の『バーバパパ』絵本が出版されていたようなのですが、その後は、出版されていないようです。

1970年にアメリカ国内で出版された『バーバパパ』。




『バーバパパ』の絵本、大人になって読み返してみると、こんな社会派メッセージがこめられていたのか、と、改めて興味深く読ませてもらいました。

たとえば、『バーバパパのがっこう』は、勉強や学校がキライな子供たちに無理やり勉強させるのではなくて、好きなこと、興味のある分野をのばして楽しく勉強させてあげよう、というバーバパパの提案で、バーバパパとその家族が学校をつくることになる、というお話。

『バーバパパのはこぶね』は、人間が地球を汚し、毛皮にするために動物を狩ったり、そんな地球から、バーバパパたちが動物達をロケットにのせて他の星へ避難させる、という、環境メッセージがこめられたお話。

4歳の息子も『バーバパパ』の絵本が大好き。
夜、寝る前に「今日は、何の本、読む?」と聞くと、『バーバパパ』絵本を数冊もってきます。
日本語版は私、英語版はダディーが読み聞かせてます。